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β-サラセミア
 サラセミアは、ヘモグロビン合成障害を特徴とする先天性溶血性貧血(小球性)の一群である。地中海、アフリカ、東南アジアに祖先をもつ人に特に一般的である。わが国でも最近、軽症のβ-サラセミア(1000人に1人...
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 サラセミアは、ヘモグロビン合成障害を特徴とする先天性溶血性貧血(小球性)の一群である。地中海、アフリカ、東南アジアに祖先をもつ人に特に一般的である。わが国でも最近、軽症のβ-サラセミア(1000人に1人)の報告例が増加しつつある。                   病態として①グロビン鎖遺伝子DNAから蛋白合成までのいずれかの過程で異常があり、特定のグロビン鎖合成が選択的に抑制され、α鎖と非α鎖(β、γ、δ鎖など)との産生に不均衡が生じる。その結果小球性低色素性貧血を起こす。②産生が低下するとグロビン鎖により、α、β、δβ、ヘモグロビン構造変異型に分類される。遺伝子型からホモ接合型とヘテロ接合型に、臨床症状から重症型、中等症型、軽症型に分けられる。③産生が抑制されていない単鎖グロビンは過剰に産生され、不安定な状態で赤血球内に変性沈殿する。この変性封入体をもつ赤芽球や赤血球は網内系で貪食され血管外溶血を起こす。④さらに、骨髄内で無効造血を起こし、赤血球造血が著しく亢進し、その結果、特徴的な骨変化を伴う。⑤骨変化として、頭蓋冠は肥厚し放射状の骨膜反応(hair-on-end appearance)の出現、頭蓋骨の肥厚や基底核の鉄沈着、また長管骨の病変により病的骨折を起こしやすく、成長を障害(低身長)し、思春期を遅らせることもある。頭蓋骨の肥厚や頬の隆起は骨髄の造血亢進によるものとされる。   
検査では、網赤血球の増加、標的赤血球の出現、血清の鉄やフエリチンは正常で、確定診断にはHb解析や遺伝子解析が必要になる。α-サラセミアではHbHの増加、β-サラセミアではメジャーでHbAの著減・HbFの増加、マイナーでHbA2の増加・HbFの増加を示す。          
サラセミアはグロビン鎖の生成合成障害であるが、アミノ酸配列に異常がない場合をいい、ある場合は異常ヘモグロビン症(鎌状赤血球症、不安定Hb症など)と診断される。
(たたむ)
DATA
画像数 5
性別
年齢 05-09
症例の種類 -