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 本例は、末梢血、骨髄にてリンパ球の増加と骨髄に20%以上よりCLLが考えられた。CD5が強陽性、CD20、CD22、sIgが弱陽性よりCLLを支持するもので慢性リンパ性白血病・小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)と診断された...
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 本例は、末梢血、骨髄にてリンパ球の増加と骨髄に20%以上よりCLLが考えられた。CD5が強陽性、CD20、CD22、sIgが弱陽性よりCLLを支持するもので慢性リンパ性白血病・小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)と診断された。診断後、リツキサンを含んだR-CHOPが施行された。
約3年後再発したため、Fludaraにて治療され寛解がみられた。約2年後、骨髄浸潤を認めたためRCCMにて様子がみられ、リンパ節腫脹も縮小傾向にあった。現在、無治療にて経過観察中である。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 慢性 (成熟型) リンパ性白血病 (CL... > B細胞白血病 > B細胞性前リンパ球性白血病 (B-PLL...
性別
年齢 45-49
取得年代 2000-2004
主訴 リンパ節腫脹。
既往歴 特になし。
現病歴 白血球増加、リンパ節腫脹 (頚部、腋窩など)
検査所見 WBC 9,470/μl (St-Seg28, Ly68, Mo2, Eo1, Ba1%)
RBC 435万/μl、Hb 13.1g/dl、Ht 41.5%、
PLT 28.3万/μl、MCV 95.4fl、MCH 30.1pg、MCHC 31.6%、NCC 20.6万/μl、MgK 31.25/μl (Ly60%)、LD 310IU/l、CRP 0.07mg/dl、TP 6.1g/dl、BUN 9.8mg/dl、AST 15IU/l、ALT 13IU/l、UA 4.0mg/dl、Ca 8.8mg/dl
末梢血所見 白血球増加(9,470/μl )にてリンパ球が68%(6,439/μl)みられた。
それらは小型でN/C比は高くクロマチンは粗造で、核形不整や核小体は認めず、形態学的には成熟リンパ球を思わせた。
骨髄所見 正形成像にてリンパ球が60%みられた。
それらは全般に小型でN/C比は高くクロマチンは粗造であった。細胞質に水泡状の突起物を認めるものもあった。
細胞化学所見 リンパ球はPO染色、PAS染色、EST染色に陰性であった。
形態診断 末梢血、骨髄のリンパ球は小型でN/C比は高く、クロマチンは粗造で核小体を認めず成熟リンパ球を思わせるものであった。
数的には骨髄に20%以上(実際は60%)を占め白血化の状態にあることより慢性リンパ性白血病を疑った。
免疫学的所見 CD5、CD19、CD23、HLA-DR (+)
CD20、CD22、sIg (±)
分子生物学的所見 46,XX
リンパ節所見 【MG】
小型~中型リンパ球が腫瘍性に増殖し核形不整や核小体は不明瞭であった。
【Pap】
小型~中型リンパ球の腫瘍性増殖がみられ、一部に核形不整や核小体を認めた。
【組織診断】
Maligant lymphoma:CLL/SLL
臨床診断 末梢血、骨髄にてリンパ球の増加と骨髄に20%以上よりCLLが考えられた。CD5が強陽性、CD20、CD22、sIgが弱陽性よりCLLを支持するものでWHO分類では慢性リンパ性白血病・小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)と診断された。
診断後、リツキサンを含んだR-CHOPが施行された。
約3年後再発したため、Fludaraにて治療され寛解がみられた。約2年後、骨髄浸潤を認めたためRCCMにて様子がみられ、リンパ節腫脹も縮小傾向にあった。現在、無治療にて経過観察中である。