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 小球性高色素貧血における二相性赤血球の存在や骨髄のFe染色で環状鉄芽球や鉄顆粒を貪食するマクロファージの出現はHb合成能や鉄利用能の悪さを考え、血清鉄・フェリチンの増加、TIBCの減少、PIDT1/2の短縮、%R...
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 小球性高色素貧血における二相性赤血球の存在や骨髄のFe染色で環状鉄芽球や鉄顆粒を貪食するマクロファージの出現はHb合成能や鉄利用能の悪さを考え、血清鉄・フェリチンの増加、TIBCの減少、PIDT1/2の短縮、%RCUの低下、そしてVB6の低下よりVB6欠乏による鉄芽球性貧血と診断された。VB6(ピリドキシン)の大量投与、過剰鉄には鉄キレート剤投与後貧血は改善された。
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■症例詳細データ
性別
年齢 15-19
取得年代 2005-2009
主訴 全身倦怠感、立ちくらみ、脱力感
既往歴 特になし
現病歴 顔面蒼白、心悸亢進
検査所見 WBC7,100/μl, RBC470万/μl、Hb9.3g/dl、Ht25.4%、MCV54.0fl、MCH19.8pg、MCHC34.9pg、MCHC36.6%、PLT58.8万/μl、Ret.1.2%、BM-NCC24.5万/μl(M/E:1.28)、Mgk 50/μl、Fe231μg/dl、TIBC120μg/dl、Ferritin240ng/ml、Vitamin-B6 6.8ng/dl、血漿鉄消失時間(PIDT)1/2:短縮、赤血球鉄利用率(%RCU):低下
末梢血所見 小球性高色素性貧血にて、白血球は正常でその分類では赤芽球を認める以外に異常はみられなかったが、赤血球形態に二相性(低色素性と正色素性:dimorphism)赤血球を認めた。
骨髄所見 正形成の骨髄にて赤芽球が優位(M/E:1.28)でそれらには正常な分化段階がみられた。
成熟赤芽球の一部にヘモグロビン合成障害を示唆する細胞質の狭小化がみられた。
細胞化学所見 Fe染色にて環状鉄芽球が56%みられ、またマクロファージには顕著な鉄の取り込みがみられた。赤芽球はPAS染色に陰性であった。
形態診断 末梢血では小球性高色素貧血にて二相性赤球を認め、骨髄では赤芽球が優位で分化段階がみられ、Fe染色にて環状鉄芽球やマクロファージによる鉄顆粒の貪食を認めたため鉄芽球性貧血を疑った。
免疫学的所見 ND
分子生物学的所見 ND
リンパ節所見 ND
臨床診断 小球性高色素貧血における二相性赤血球の存在や骨髄のFe染色で環状鉄芽球や鉄顆粒を貪食するマクロファージの出現はHb合成能や鉄利用能の悪さを考え、血清鉄・フエリチンの増加、TIBCの減少、PIDT1/2の短縮、%RCUの低下、そしてVB6の低下よりVB6欠乏による鉄芽球性貧血と診断された。VB6(ピリドキシン)の大量投与、過剰鉄には鉄キレート剤投与後貧血は改善された。