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 本例は骨髄の芽球は10%未満で末梢血の単球が1,000/μl以上を呈したことよりCMMLを疑い、colony assayでGM-CSFに対する感受性亢進を認めたことやPTPN11遺伝子のexson3変異を認めたことよりJMMLと診断された。Ph/B...
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 本例は骨髄の芽球は10%未満で末梢血の単球が1,000/μl以上を呈したことよりCMMLを疑い、colony assayでGM-CSFに対する感受性亢進を認めたことやPTPN11遺伝子のexson3変異を認めたことよりJMMLと診断された。Ph/BCR-ABL遺伝子を認めなかったことも診断を支持するものとなった。
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■症例詳細データ
性別
年齢 05-09
取得年代 2010-2014
主訴 発熱、全身倦怠感。
既往歴 特になし。
現病歴 気管支炎、感染症状を認める。肝脾腫あり。
検査所見 WBC18,900/μl(Blast+,Promy1,My2,Met1,St3,Seg28,Eo1,Ba7,Mo20,Ly32%)、RBC402万/μl、Hb10.6g/dl、Ht32.6%、MCV81.0fl、MCH26.3pg、MCHC32.5%、PLT9.4万/μl 、NCC46.5万/μl、TP6.2g/dl、Alb 3.5g/dl、AST10IU/l、ALT8IU/l、LDH176IU/、BUN9.5mg/dl、Cre0.4mg/dl、TC120mg/dl、CRP2.24mg/dl
末梢血所見 白血球増加(18,900/μl)において幼若顆粒球の出現と芽球が僅かにみられた。他に単球が20%(3,780/μl)と好塩基球7%(1,323/μl)と増加していた。
骨髄所見 過形成像の骨髄にて芽球は8%認め顆粒球系は42%みられた。赤芽球は16%で単球が23%と増加していた。(Blast8,Promy6,My6,Met4,St4,Seg22,Ly4,Mo23,Eo3,Ba4,Ebl.16%)
細胞化学所見 PO染色で顆粒球系は強陽性、単球系は陰性から弱陽性であった。EST二重染色で顆粒球系はクロロアセテートに、単球系はブチレートに陽性がみられた。
形態診断 芽球は末梢血で1%未満、骨髄で8%みられ、単球は末梢血で1,000/μl以上(実際は3,780/μl)、骨髄で23%と増加していたことより慢性骨髄単球性白血病(CMML)を疑った。しかし、好塩基球の増加も気になりCMLは否定したいとことろである。CMMLを疑ってはいるが5歳ということで若年性骨髄単球性白血病(JMML)も考慮せねばならない。
免疫学的所見 N.D
分子生物学的所見 8torysomyを認めたがPh/BCR-ABL遺伝子は認めなかった。 PTPN11遺伝子のexon3に変異を認める。
Colony assayで末梢血・骨髄共にspontaneous colony、GM-CSFへのhypersensibilityを認める。
リンパ節所見 N.D
臨床診断 骨髄の芽球は10%未満で末梢血の単球が1,000/μl以上を呈したことよりCMMLを疑い、colony assayでGM-CSFに対する感受性亢進を認めたことやPTPN11遺伝子のexson3変異を認めたことよりJMMLと診断された。Ph/BCR-ABL遺伝子を認めなかったことも診断を支持するものとなった。