■ご利用に際して

本サイトは、厚生労働省がん研究助成金総合研究事業および、厚生労働省第3次対がん総合戦略研究事業にて構築され、2014年3月にその事業を終了しております。現在サイトに掲載されている内容は当時の登録状況のまま公開しているため、必ずしも最新の医療に沿う内容ではない場合がございます。ご注意ください。

ご不明点がありましたら九州がんセンターまでお問い合わせください。

JapaneseEnglish

 白血病細胞が成熟傾向を示さないAMLであり、骨髄有核細胞の90%以上を骨髄芽球が占め、芽球のPO陽性率は3%以上とされる。
 
 本例は、骨髄の芽球が91.2%を占め、PO染色で70%が陽性よりAML-M1と診断された...
(続きを読む)
 白血病細胞が成熟傾向を示さないAMLであり、骨髄有核細胞の90%以上を骨髄芽球が占め、芽球のPO陽性率は3%以上とされる。
 
 本例は、骨髄の芽球が91.2%を占め、PO染色で70%が陽性よりAML-M1と診断された。芽球はアウエル小体を有し、typeⅠが優位であるがtypeⅡも混在していた。
(たたむ)

■症例詳細データ
FAB分類 > 急性骨髄性白血病 (AML) > 成熟を伴わない未分化型のAML (M1)
性別
年齢 55-59
取得年代 2000-2004
主訴 微熱、感冒様。
既往歴 特になし。
現病歴 微熱(持続性)、3ヶ月前より左下肢皮下出血、尿道出血あり。
検査所見 WBC 22,790/μl(芽球92, Ly8.0%)
RBC 3万/μl、Hb 9.8g/dl、Ht 29.6、MCV 95.8fl、
MCH 31.7pg、MCHC 33.1%、PLT 2.8万/μl
NCC 15.7万/μl、Mgk 0/μl (芽球91.2%)
LD 428IU/l、TP 7.9g/dl、CRP 13.44mg/dl、BUN 21.0mg/dl、UA 4.7mg/dl、Ca 8.9mg/dl、AST 22IU/l、ALT 22IU/L、Fbg 572mg/dl
末梢血所見 白血球増加(22,790/μl)にてN/C比が高く明瞭な核小体を有する芽球が92%みられた。
骨髄所見 正形成像にて芽球は91.2%で分化傾向が乏しかった。
核小体が明瞭なものやアウエル小体を認めるものが多くみられ骨髄系が示唆された。
細胞化学所見 芽球はPO染色に70%が陽性を示し骨髄系をさらに支持するものになった。PAS染色、EST染色は陰性であった。
形態診断 末梢血、骨髄ともに芽球は90%以上(骨髄は91.2%)を占め、アウエル小体を認めた。それらはPO染色に3%以上(実際は70%)が陽性よりAML-M1を疑った。
免疫学的所見 CD7・CD13・CD33・CD34・HLA-DR(+)
分子生物学的所見 46,XY [20]
WT1mRNA:8,500コピー/μgRNA
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 骨髄にてアウエル小体やPO陽性を示す芽球が90%以上を占めることよりAML-M1と診断された。
診断後、JALSG AML201に登録され、DNR,AraCの治療がなされた。地固め療法(AraC,VP-16,VCR)よりCRが維持され現在経過観察中である。