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  本例は、初診の特発性血小板血症より13年間、MCNU 100mg/day (計2600mg)が投与され、非寛解状態で治療中、2次性MDSを経てAML(M7)へ移行された。提示画像はMDS期のものである。
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  本例は、初診の特発性血小板血症より13年間、MCNU 100mg/day (計2600mg)が投与され、非寛解状態で治療中、2次性MDSを経てAML(M7)へ移行された。提示画像はMDS期のものである。
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■症例詳細データ
性別
年齢 35-39
取得年代 1990-1994
主訴 出血傾向、腹部膨満。
既往歴 【初診時】
#1.特発性血小板血症
PLT60万/μl以上,Hb濃度13g/dl,循環赤血球量正常
(32ml/kg以下)
Ph染色体陰性にて反応性血小板増加症の否定
#2.ATL
現病歴 【現症】歯肉出血、鼻出血、軽度の脾腫あり
【経過】
初診より13年後:二次性MDS(RAEB-Ⅰ)
初診より14年後:AML(M7)へ転化
検査所見 【初診時】
WBC 14,300/μl、RBC 460万/μl、Hb 13.1g/dl、Ht 38.3%、MCV 83.3fl、MCH 28.5pg、MCHC 34.2%、PLT 106.3万/μl、NCC 8.0万/μl、Mgk 6.3/μl、LD 281IU/l、TP 6.2g/dl、Ca 9.0mg/dl、UA 2.5mg/dl、HTLV-1抗体(+)、循環赤血球量26ml/kg
末梢血所見 【初診時】
白血球増加にてATLcell3%を認めた。
血小板は100万/μl を越え大型のものが散見された。
【初診より13年後(MDS期)】
芽球は3%の出現であった。
骨髄所見 【初診より13年後(MDS期)】
低形成像にて芽球は8%未満であるが異型性を認めた。
それらは大型で類円形核を有し歪な核形不整や明瞭な核小体を有し、分裂異常として2核のものもみられた。
他の形態異常として好中球に低顆粒や輪状核のものがみられた。
細胞化学所見 【初診より13年後(MDS期)】
PO染色に芽球は一部陽性であり骨髄系が示唆された。
形態診断 MDS期の骨髄では異型性の形態異常をもつ芽球が8%未満であった。
背景には二核の芽球や輪状核、そして低顆粒の顆粒球系を認めた。
顆粒球系のみの形態異常であるが、芽球の割合と異型性はMDS(RAEB-Ⅰ)を支持するものと思われた。
免疫学的所見 未施行。
分子生物学的所見 【初診時】
46,XX[20]
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 提示画像はMDS(RAEB-Ⅰ)の経過観察のものである。ATLA抗体陽性でもあった。
初診の特発性血小板血症より13年間、MCNU 100mg/day (計2600mg)が投与され、非寛解状態で治療中、2次性MDSを経てAML(M7)へ移行された。