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 本例は、約2年前に乳腺原発の腺癌にて化学療法がなされたことで、治療関連AML-M3様と診断された。
表現型ではCD33の強陽性、分子生物学的にはt(15;17)、PML-RARαが証明され本症を支持するものになった。
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 本例は、約2年前に乳腺原発の腺癌にて化学療法がなされたことで、治療関連AML-M3様と診断された。
表現型ではCD33の強陽性、分子生物学的にはt(15;17)、PML-RARαが証明され本症を支持するものになった。
診断後ATRA療法がなされ開始後28日目で正常クローンに置換された。
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■症例詳細データ
性別
年齢 55-59
取得年代 1995-1999
主訴 全身疲労感。
既往歴 【2年前】
乳癌(腺癌)にて右乳房切除術を受ける。
現病歴 腺癌の診断後、マイトマイシンCが投与された。
その後、外来通院にてサイクロフオスファマイド100mgの経口投与を3ヶ月おきに繰り返していた。
約2年後、全身疲労感にて汎血球減少を指摘され、血液像にて病的な前骨髄球がみられたため白血病を疑い入院となった。
眼瞼結膜貧血(+)
検査所見 WBC 600/μl(Ab.Promy13, St-Seg34, Ly49, Eo4%)
RBC 202万/μl、Hb 7.2g/dl、Ht 21.2%、PLT 3.2万/μl
MCV 104.9fl、MCH 35.6pg、MCHC 33.9%、NCC 12.7万/μl、MgK 19/μl(Ab.Promy51.2%)、PT 112%、aPTT 23.7sec、AT-Ⅲ 131%、FDP 67.5μg/ml、D-ダイマー 4.0μg/ml、TP 7.3g/dl、LD 539IU/l、BUN 15.8mg/dl、CRP 0.49mg/dl
末梢血所見 白血球著減(600/μl)にて核形不整、核小体やアウエル小体を有する病的な前骨髄球が13%みられた。
骨髄所見 正形成像にて豊富な細胞質にアズール顆粒やアウエル小体を有する病的な前骨髄球が51.2%みられた。
アウエル小体にはファゴット状のものもみられた。
細胞化学所見 病的な前骨髄球はPO染色に強陽性であった。
PAS染色ではび漫性に陽性で、EST染色ではクロロアセテートに陽性(青色)であった。
形態診断 末梢血、骨髄の光顕的所見より病的な前骨髄球を考えAML-M3を疑った。
約2年前に腺癌(右乳房原発)の診断にて治療を受けていたので2次性白血病と診断した。
免疫学的所見 CD13・CD33・CD14・CD4・CD10・CD19・HLA-DR(+)
分子生物学的所見 46,XX,t(15;17)(q22;q22)[20]
PML-RARα(+)
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 約2年前に乳腺原発の腺癌にて化学療法がなされたことで、治療関連AML-M3様と診断された。
表現型ではCD33の強陽性、分子生物学的にはt(15;17)、PML-RARαが証明され本症を支持するものになった。
診断後ATRA療法がなされ開始後28日目で正常クローンに置換された。