■ご利用に際して

本サイトは、厚生労働省がん研究助成金総合研究事業および、厚生労働省第3次対がん総合戦略研究事業にて構築され、2014年3月にその事業を終了しております。現在サイトに掲載されている内容は当時の登録状況のまま公開しているため、必ずしも最新の医療に沿う内容ではない場合がございます。ご注意ください。

ご不明点がありましたら九州がんセンターまでお問い合わせください。

JapaneseEnglish

 白血病細胞が成熟傾向を示さないAMLであり、骨髄有核細胞の90%以上を骨髄芽球が占め、芽球のPO陽性率は3%以上とされる。
 
 本例は芽球が90%、それらはアズール顆粒を有するTypeⅡやTypeⅢ芽球の混在もみ...
(続きを読む)
 白血病細胞が成熟傾向を示さないAMLであり、骨髄有核細胞の90%以上を骨髄芽球が占め、芽球のPO陽性率は3%以上とされる。
 
 本例は芽球が90%、それらはアズール顆粒を有するTypeⅡやTypeⅢ芽球の混在もみられ、PO染色では16%が陽性より、AML-M1と診断されたものである。MG染色で一見単球系を疑ったが、分類上単球系は10%未満であり、大半の芽球はEST染色が陰性と単球系のマーカーであるCD11b、CD14が陰性より単球系は否定された。
(たたむ)

■症例詳細データ
FAB分類 > 急性骨髄性白血病 (AML) > 成熟を伴わない未分化型のAML (M1)
性別
年齢 20-24
取得年代 2000-2004
主訴 発熱、頚部リンパ節腫脹。
既往歴 特になし。
現病歴 発熱、頚部および鼠径部にリンパ節腫脹がみられ、白血球の増加により当科入院となった。
出血傾向(-)、DIC(-)。
検査所見 WBC 51,600/μl(芽球88%)
RBC 345万/μl、Hb 11.5g/dl、Ht 34.2%、MCV 99.1fl
MCH 33.3pg、MCHC 33.6%、PLT 9.5万/μl
NCC 35.8万/μl、MgK 12.5/μl(芽球92%)
FDP 2.4μg/ml、LD 1,210IU/l
末梢血所見 白血球増加(51,600/μl)にて芽球は90%、細胞質の好塩基性は中等度で、豊富な細胞質には微細なアズール顆粒がみられた。従ってTypeⅠとTypeⅡ芽球の混在がみられた。
骨髄所見 過形成像にて芽球は90%みられ、末梢血同様にアズール顆粒を有するものがみられた。なかにはTypeⅢ芽球の混在もみられたがアウエル小体は不明であった。
単球系は20%未満であった。
細胞化学所見 骨髄芽球はPO染色に16%が陽性であり骨髄系を疑った。
PAS染色は陰性、ブチレートEST染色も陰性であった。
形態診断 骨髄の芽球にはアズール顆粒を有するものがみられたが、アウエル小体は不明であった。
芽球は90%を占め、しかもPO染色に3%以上(実際は16%)が陽性であったことより未分化型のAMLを疑った。
免疫学的所見 CD13(67.8%)、CD33(92.2%)、MPO(96.8%)、
HLA-DR(96.8%)
CD11b(4.6%)、CD14(8.9%)
分子生物学的所見 46,XY,t(12;22)(p13;q11)
MN1遺伝子(+)
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 骨髄でPO陽性(16%)の芽球が90%みられたことよりAML-M1と診断された。