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 骨髄有核細胞の50%以上を赤芽球系細胞が占め、赤芽球系を除く細胞の20%以上が骨髄芽球でFAB分類のM6aに相当する。
もし、骨髄芽球が20%未満の場合はRAEB群に位置づけされる。
     
 本例は、血液像では白赤...
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 骨髄有核細胞の50%以上を赤芽球系細胞が占め、赤芽球系を除く細胞の20%以上が骨髄芽球でFAB分類のM6aに相当する。
もし、骨髄芽球が20%未満の場合はRAEB群に位置づけされる。
     
 本例は、血液像では白赤芽球症(leukoerythroblastosis)がみられた。骨髄では赤芽球系が優位(83%)であり、NEC中に骨髄芽球が76%みられたため赤白血病(M6a)を考えた。赤芽球系の異型性は、さほど強くないように思えた。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 急性骨髄性白血病 (AML) > 赤白血病 (M6)
性別
年齢 10-14
取得年代 2000-2004
主訴 倦怠感、貧血。
既往歴 特になし。
現病歴 倦怠感と貧血で来院し、貧血と白血球増加を指摘され、血液像にて芽球が48%みられたため当科に入院となった。
検査所見 WBC 41,200/μl(芽球48%, Ebl 25/100w)
RBC 169万/μl、Hb 6.2g/dl、Ht 16.2%、MCV 95.8fl、
MCH 36.6pg、MCHC 38.2%、PLT 3.8万/μl、
NCC 58.3万/μl、MgK 0/μl(芽球76%)
LD 3,560IU/l、FDP 4.2μg/ml
末梢血所見 白血球増加(41,200/μl)にて芽球は48%で、赤芽球もみられた(25/100w)。
骨髄所見 過形成像にて赤芽球系が83%と顕著な増加を呈し、幼若型から成熟型までみられた。そのなかで顕著な巨赤芽球様変化は成熟型に多く、核形不整や細胞質に不染部などがみられた。
肝心の芽球は赤芽球が80%より、NEC(赤芽球、リンパ球等を除く)中で算定すると76%になり、AMLの病型として捉えた。
細胞化学所見 PO染色にて芽球は74%が陽性であった。
PAS染色にて成熟赤芽球にび慢性陽性がみられた。
Fe染色で環状鉄芽球は認めなかった。
形態診断 血液像では白赤芽球症(leukoerythroblastosis)で、骨髄では赤芽球系が優位(83%)で、しかも骨髄芽球が76%みられたため赤白血病(M6a)を考えた。
赤芽球系の異型性は、さほど強くないように思えた。
免疫学的所見 CD7・CD13・CD33・CD34・Glycophorin-A・HLA-DR (+)
分子生物学的所見 不明。
リンパ節所見 不明。
臨床診断 赤芽球の異型性はさほど強くないが50%以上を占め、骨髄芽球がNEC中の20%以上認めたことよりAML-M6aと診断された。また、表現型ではglicophorin-Aが陽性であった。