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 本例は光顕的所見よりAML-M2が疑われた。しかし、表現型にてCD10、CD19のB細胞系が高率陽性より混合性白血病 (Bilineal leukemia)と診断された。

■症例詳細データ
FAB分類 > その他
性別
年齢 10-14
取得年代 2000-2004
主訴 発熱、出血傾向。
既往歴 特になし。
現病歴 発熱、出血傾向、顔面蒼白にて近医より当院へ紹介された。当院入院1ヶ月前、下肢に外傷を受け、その時に出血傾向が指摘された。3週間後、顔面蒼白と発熱が急速に出現し近医を受診する。強度の貧血、軽度の肝腫大、発熱(38℃)と皮膚の出血斑が発見され紹介入院となる。
検査所見 WBC 115,800/μl (芽球72%)
RBC 156万/μl、Hb 5.4g/dl、Ht 15.4%、PLT 2.1万/μl
MCV 98.7fl、MCH 34.6pg、MCHC 35.0%、
NCC 38.8万/μl、MgK 0/μl (芽球81%)
末梢血所見 白血球の著増(115,800/μl)にて芽球は72%みられた。
骨髄所見 過形成像にて芽球は81%みられ、大小不同性がみられた。大型芽球はクロマチンが繊細であるが、小型芽球は粗荒気味であり、二系統の混在を示唆するものであった。
細胞化学所見 芽球はPO染色に41%が陽性で、PAS染色では細顆粒状陽性が12%みられた。PAS染色の陽性態度はリンパ芽球を強調できるものではなかった。
形態診断 骨髄にて芽球は81%みられ、それらはPO染色に41%が陽性よりAML-M2を考えた。しかし、小型芽球はリンパ系を思わせるものであったため、リンパ系との混在も疑った。
免疫学的所見 CD13・CD33・CD10・CD11b・CD19・HLA-DR (+)
分子生物学的所見 46,XX
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 光顕的所見よりAML-M2が疑われた。しかし、表現型にてCD10、CD19のB細胞系が陽性より混合性白血病 (Bilineal leukemia)と診断された。