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 T-PLLは、本邦では悪性リンパ腫の0.06%とされ(LSG.2000)、CLLは欧米の1/4~1/5であるが、T細胞性の占める割合は欧米より約5~6倍と多い(Tamura K. 2001)。高齢者、男性に多い。
(鈴宮淳司.新WHO分類.2001の解...
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 T-PLLは、本邦では悪性リンパ腫の0.06%とされ(LSG.2000)、CLLは欧米の1/4~1/5であるが、T細胞性の占める割合は欧米より約5~6倍と多い(Tamura K. 2001)。高齢者、男性に多い。
(鈴宮淳司.新WHO分類.2001の解説書.中外医学社.2004)
     
 本例は、末梢血、骨髄に増加するリンパ球は一部に核形不整や核小体を有するもCLLを疑ったが、表現型が成熟型T-cellの性格であったことよりT-PLLと診断された。CD2(+),CD3(+),CD5(+),CD7(+),TCRβ・γ(+)。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 慢性 (成熟型) リンパ性白血病 (CL... > T細胞白血病 > T細胞性前リンパ球性白血病 (T-PLL...
性別
年齢 75-79
取得年代 2005-2009
症例の種類 典型例
主訴 白血球増加
既往歴 糖尿病、高血圧、前立腺肥大症
現病歴 肝脾腫(+)、リンパ節腫脹(+)
検査所見 RBC418万/μl、Hb13.9g/dl、Ht38.0%、MCV90.9fl、MCH33.2pg、MCHC36.5%、
WBC148,500/μl (St-Seg8.0%,Mo3.0%,Ly89.0%)
NCC14.6万/μl(Ly84.4%)
TP6.5g/dl,LD2,323U/l,AST136U/l,APT26U/l,UA4.8mg/dl, HTLV-Ⅰ(-)
末梢血所見 末梢血にて白血球増加(148,500/μl)がみられ、なかでもリンパ球の増加(89%:132,165/μl)を認めた。それらは全般に小型でクロマチンは粗鋼で核形不整や一部に核小体を認め、アズール顆粒は認めなかった。
骨髄所見 骨髄は正形成でリンパ球の増加(84.4%)を認めた。それらは小型~中型で、クロマチンは粗鋼で核形不整を認め、アズール顆粒は認めなかった。
細胞化学所見 PO染色、PAS染色は陰性で、アセテートEST染色やACP染色がゴルジ領域に点状の陽性を呈した。
形態診断 末梢血に著増するリンパ球(89%:132,165/μl)は、核形不整や核小体を有するものがあり、CLLをベースに疑った。
免疫学的所見 CD2(+),CD3(+),CD5(+),CD7(+),CD8(-),CD19(-), CD1a(-),TCRβ・γ(+)
分子生物学的所見 46,XY
リンパ節所見 正常のリンパ節構築は破綻して、小型~中型のリンパ球様細胞がび慢性浸潤を呈し、核形不整や核小体が特徴である。
臨床診断 末梢血、骨髄に増加するリンパ球は一部に核形不整や核小体を有するもCLLを疑ったが、表現型が成熟型T-cellの性格であったことよりT-PLLと診断された。