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 本例はBcellと骨髄系のマーカーが同時に検出されたことで混合性白血病(biphenotyic type)を考えた。形態的には核形不整が顕著であったことより染色体異常を予測したところ、t(9;22)/BCR-ABLが証明されたことよ...
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 本例はBcellと骨髄系のマーカーが同時に検出されたことで混合性白血病(biphenotyic type)を考えた。形態的には核形不整が顕著であったことより染色体異常を予測したところ、t(9;22)/BCR-ABLが証明されたことより、Ph染色体を伴う混合形質性急性白血病と診断された。
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■症例詳細データ
FAB分類 > その他
性別
年齢 20-24
取得年代 2005-2009
症例の種類 非典型例
主訴 全身倦怠感
既往歴 特になし
現病歴 白血球増加と貧血、血小板減少。
検査所見 RBC360万/μl、Hb10.4g/dl、Ht31.2%、MCV86.7fl、MCH28.9pg、MCHC33.3%、
PLT6.2万/μl、WBC34,500/μl (Blast84.0%,My1.0,St-Seg4.0%,Eo1.0,Ly10.0)
NCC38.6万/μl、TP6.4g/dl、LD478U/l、AST58U/l、ALT89U/l、UA6.8mg/dl
Cre0.8mg/dl、Ca9.0mg/dl
末梢血所見 白血球増加(34,500/μl)にて芽球が84%みられた。それらは中~大型で、N/Cは高く、クロマチンはやや繊細で、核小体や核形不整も一部に認めた。
骨髄所見 やや過形成像で芽球は93%にみられた。それらは大型で、N/Cは低く、クロマチンは繊細~粗荒で核小体もみられ、時折核形不整もみられた。
細胞化学所見 芽球はPO染色に大半が陰性で、他にPAS染色、EST染色も陰性であった。
形態診断 末梢血、骨髄に増加する芽球はPO染色が陰性のことよりリンパ球系を考え、急性リンパ性白血病(FAB:L2)を疑った。しかし、形態的を考慮すると単球系(FAB:M5a)と微分化型(FAB:M0)は除外しなければならない。
免疫学的所見 CD10,CD19,CD22,CD79a,CD13,CD33(+)
分子生物学的所見 46,XX,t(9;22)(q34;q11)[7]
BCR-ABL(+)
リンパ節所見 N.D
臨床診断 本例はBcellと骨髄系のマーカーが同時に検出されたことで混合性白血病(biphenotyic type)を考えた。
しかもt(9;22)/BCR-ABLが証明されたことより、Ph染色体を伴う混合形質性急性白血病と診断された。