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 本例は、真の低形成に伴う汎血球減少は造血細胞の減少に伴う血球の産生障害であり、造血幹細胞自体の質的異常と免疫学的機序による障害が考えられた。原因の究明は不明であり、後天性の再生不良性貧血と診断さ...
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 本例は、真の低形成に伴う汎血球減少は造血細胞の減少に伴う血球の産生障害であり、造血幹細胞自体の質的異常と免疫学的機序による障害が考えられた。原因の究明は不明であり、後天性の再生不良性貧血と診断された。治療には支持療法として貧血に対しては赤血球輸血、出血傾向には血小板輸血、好中球減少にはC-CSFが施行された。
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■症例詳細データ
性別
年齢 10-14
取得年代 2005-2009
症例の種類 典型例
主訴 点状出血
既往歴 特になし
現病歴 全身に点状出血斑(+)
肝腫(-)、脾腫(-)
検査所見 WBC 3,300/μl、RBC 305万/μl、Hb 9.4g/dl、Ht 27.4%、MCV 90.0fl、MCH 30.8pg、MCHC 34.3%、PLT 0.4万/μl、Ret. 0%、BM-NCC 4.0万/μl(M/E 0.79)、Mgk 25.0/μl
Fe 182μg/dl、血漿鉄消失時間(PIDT)1/2:延長、赤血球鉄利用率(%RCU):低下
末梢血所見 正球性正色素性貧血のもと赤血球に顕著な形態異常はないが血小板の著減がみられた。白血球分類では、好中球減少(132/μl)に伴うリンパ球の相対的な増加がみられた。
骨髄所見 【骨髄穿刺】極端な低形成の骨髄は脂肪髄であり、組織切片は僅かにみられる程度であった。造血三系統の著減に代わり非造血細胞が散見された。【骨髄生検】骨髄腔は大部分が脂肪組織からなり、低形成像をうかがわせるものであった。
細胞化学所見 PO染色、PAS染色、EST染色、Fe染色などに所見になるものはみられない。
形態診断 汎血球減少のもと、末梢血では好中球の減少(132/μl)が顕著で、ほかに網赤血球の減少(0%)と血小板減少(0.4万/μl)がみられ、骨髄穿刺は低形成で造血細胞は抑制され(脂肪髄)、骨髄生検においても明らかな造血能低下を考え再生不良性貧血を疑った。
免疫学的所見 ND
分子生物学的所見 ND
リンパ節所見 ND
臨床診断 真の低形成に伴う汎血球減少は造血細胞の減少に伴う血球の産生障害であり、造血幹細胞自体の質的異常と免疫学的機序による障害が考えられた。本例は原因が不明であり、後天性の再生不良性貧血と診断された。治療には支持療法として貧血に対しては赤血球輸血、出血傾向には血小板輸血、好中球減少にはC-CSFが施行された。