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 本例は増殖するリンパ球の多くは萎縮気味で、小型のものは核形不整が特徴的で、中型のものは核小体が特徴的であった。CD2,CD3,CD5,CD7が陽性、TdTとCD1aが陰性で、TCR-β/γ遺伝子の再構成を認めたことよりT-PLL...
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 本例は増殖するリンパ球の多くは萎縮気味で、小型のものは核形不整が特徴的で、中型のものは核小体が特徴的であった。CD2,CD3,CD5,CD7が陽性、TdTとCD1aが陰性で、TCR-β/γ遺伝子の再構成を認めたことよりT-PLLと診断された。
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■症例詳細データ
性別
年齢 45-49
取得年代 2010-2014
主訴 全身倦怠感、下腿浮腫
既往歴 特になし
現病歴 1年前の健診で白血球増加(15,600/μl)を指摘されたが精査しなかった。2ヶ月前より
全身倦怠感と下腿浮腫を自覚していた。1週間前の健診で白血球の著増(185,000/μl)を指摘され当科へ紹介入院となった。肝脾腫(+)、両側鼠径部リンパ節腫大(+)、下肢浮腫(+)。
検査所見 WBC210,100/μl(Seg7,Mo2,Ab.Ly91%)、RBC384万/μl、Hb11.6g/dl、Ht35.4%、MCV92.2fl、MCH30.2pg、MCHC32.8%、PLT4.8万/μl 、NCC15.4万/μl、TP6.6g/dl、Alb.4.0g/dl、AST51IU/l、ALT32IU/l、LDH1,010IU/、BUN12mg/dl、Cre0.9mg/dl、UA8.7mg/dl、CRP0.11mg/dl、Ca8.9mg/dl、IgG1,121mg/dl、IgA120mg/dl、IgM182mg/dl、HTLV-Ⅰantibody(-)、HIV antibody(-)
末梢血所見 白血球著増(210,100/μl)のなかで異常リンパ球が91%と増加していた。それらの多くは小型で、N/C比が高く、核形不整がみられ、クロマチン網工は粗剛で、細胞質は好塩基性に富んでいた。中型のものについては核小体を有するものがみられ、一見前リンパ球を思わせたが55%は超えるものではなかった。
骨髄所見 正形成の骨髄像は異常リンパ球が89%にみられた。それらは末梢血と同様に小型のものが多く、N/C比は高く、核形不整が顕著でクロマチンは粗剛であった。
細胞化学所見 増加する異常リンパ球はPO染色、PAS染色、EST染色に陰性であった。
形態診断 小型で増加する異常リンパ球は核形不整が特徴で、中型には核小体を認めるものもみられた。形態学的にはCLL様であるが、核小体を有するものについては前リンパ球をも想定する。問題はこれらがB-cellなのかT-cellなのかは細胞マーカーに委ねることになった。
免疫学的所見 CD2,CD3,CD5,CD7が陽性、TdTとCD1aは陰性であった。B-cell系、骨髄系のマーカーはいずれも陰性であった。
分子生物学的所見 46,XY [20]
TCR-β/γ鎖の再構成(+)
リンパ節所見 【左鼠径部リンパ節生検-HE染色】
正常のリンパ節の構築は破綻し、小型から中型大のリンパ球様細胞のびまん性増殖を認める。
臨床診断 増殖するリンパ球の多くは小型で核形不整が特徴的であり、中型のものには核小体が特徴的であった。CD2,CD3,CD5,CD7が陽性、TdTとCD1aが陰性で、TCR-β/γ遺伝子の再構成を認めたことよりT-PLLと診断された。