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症例提示(所在地,施設名等): 東京都・ 国立がんセンター中央病院と九州がんセンターの共同作成
TIC症例
症例登録日 1999/12/17
画像数 14
性別 男性
年齢 30-34

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■症例詳細データ
病理学分類憩室/メッケル(Meckel)憩室
性別男性
年齢30-34
主訴下血
病歴急にタール便と貧血症状がみられ、近医に入院。著明な貧血を指摘され、約3000ccの輸血を受けた。上部と下部消化管の検査が行われたが、出血源が不明で、紹介により受診した。小腸X線検査で、Meckel憩室が発見された。
既往歴中学時代、十二指腸潰瘍で内服治療を受く。
家族歴特記すべきことなし。
現症栄養状態良好、目瞼結膜に貧血あり、腹部に肝臓・脾臓を触知せず、圧痛なし、体表のリンパ節腫大を触知せず。その他、著変なし。
一般検査データ赤血球数:152万/ミリ立方メートル、ヘモグロビン(Hb):6.28/dl、出血・凝固時間:正常
経過入院の2日後に血圧低下をともなう大量の下血あり。緊急開腹手術が行われた。回盲弁部より約50センチ口側の回腸にメッケル(Meckel)憩室を認め、この憩室より肛門側に血液が充満していた。憩室を含む回腸の一部が切除された。切除標本では、憩室の粘膜面に多発する小隆起と粘膜ひだの集中を伴った潰瘍が認められた。
備考メッケル(Meckel)憩室は、胎生期の卵黄腸管の遺残によるもので、腸閉塞、憩室炎、腸重積、出血、穿孔の原因となり得る。約2割に胃や膵臓の組織が混入し、潰瘍の形成と共に出血の原因となる。



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