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本例は芽球が末梢血、骨髄にて20%以上を占め、単球が末梢血で5,000/μl以上、骨髄で20%みられたことでAML-M4が考えられた。ただ好酸球の形態異常からM4Eoを疑いつつ、inv(16)(p13q22)、CBF/MYH11を認めたためAML... (続きを読む)
本例は芽球が末梢血、骨髄にて20%以上を占め、単球が末梢血で5,000/μl以上、骨髄で20%みられたことでAML-M4が考えられた。ただ好酸球の形態異常からM4Eoを疑いつつ、inv(16)(p13q22)、CBF/MYH11を認めたためAML-M4Eoと診断された。 (たたむ)
 
■症例詳細データ
FAB分類 |
> 急性骨髄性白血病 (AML)
> 骨髄単球性 (異常の好酸球を伴う:M4E...
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性別 |
男
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年齢 |
65-69
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取得年代 |
2005-2009
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主訴 |
発熱。
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既往歴 |
特になし。
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現病歴 |
5日頃前から発熱を来たし、近医にて血液検査が施行され白血球増加を指摘され、精査のため当院当科を紹介された。末梢血に芽球がみられたため入院となった。
肝脾腫(+)、骨痛、DIC(-)。
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検査所見 |
WBC 54,400/μl (芽球56%, Mo18%)
RBC 334万/μl、Hb 11.0g/dl、Ht 32.7%、
PLT 12.1万/μl、MCV 98.0fl、MCH 32.9pg、MCHC 33.6%、NCC 65.2万/μl、MgK 62.5/μl (芽球63%)
LD 800IU/l
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末梢血所見 |
白血球増加(54,400/μl)にて芽球は56%みられ、単球は18%(9,792/μl)と増加していた。好酸球は2%みられた。
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骨髄所見 |
過形成像にて芽球は63%、以下顆粒球系が13%、単球系が20%みられた。
好酸球は7%みられ、なかに粗大顆粒を有するものがみられた。
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細胞化学所見 |
PO染色にて芽球を含めた顆粒球系は陽性で、単球系は陰性から弱陽性であった。EST二重染色では顆粒球系はクロロアセテートに陽性、単球系はブチレートに陽性を呈した。
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形態診断 |
末梢血は芽球が出現し、単球系が5000/μl以上(実際は9,792/μl)と急性骨髄単球性白血病の基準を超えるものであった。骨髄では芽球が20%以上(実際は63%)で、顆粒系が診断の基準に満たない(13%)ものの単球系(20%)との混在が考えられAML-M4を疑った。背景に好酸球が軽度増加と形態異常からM4Eoは否定したいところである。
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免疫学的所見 |
CD4・CD11b・CD13・CD14・CD33・HLA-DR (+)
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分子生物学的所見 |
46,XY,inv(16)(p13q22)[18]
CBFβ/MYH11(+)
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リンパ節所見 |
未施行。
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臨床診断 |
芽球は末梢血、骨髄にて20%以上を占め、単球が末梢血で5,000/μl以上、骨髄で20%みられたことでAML-M4と考えられた。ただ好酸球の形態異常からM4Eoを疑いつつも、inv(16)、CBF/MYH11を認めたためAML-M4Eoと診断された。
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