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 芽球増加を伴う不応性貧血 (RAEB-Ⅰ)は血球減少を主体に以下の形態像を示す。
1)末梢血:芽球は5%未満、アウエル小体(-)、単球は1000/μl未満。
2)骨髄:1~3系統に異形成が10%以上、芽球は5~9%、ア...
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 芽球増加を伴う不応性貧血 (RAEB-Ⅰ)は血球減少を主体に以下の形態像を示す。
1)末梢血:芽球は5%未満、アウエル小体(-)、単球は1000/μl未満。
2)骨髄:1~3系統に異形成が10%以上、芽球は5~9%、アウエル小体(-)。
     
 本例は2系統に血球減少がみられ、骨髄にて芽球が10%みられ、形態異常は顆粒球系に多くみられた。骨髄の芽球が10%(基準5~9%)はMDSのRAEB-Ⅰを僅かに越えるものであったが、末梢血の芽球は散見される程度(基準5%未満)よりRAEB-Ⅰを考えた。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 骨髄異形成症候群 (MDS) > 芽球の増加を伴う不応性貧血
性別
年齢 35-39
取得年代 2000-2004
主訴 発熱、易感染性。
既往歴 特になし。
現病歴 発熱(38℃)、貧血症状。
肝腫(-)、脾腫(-)。
検査所見 WBC 11,840/μl (芽球+, My1, Met2, St-Seg58, Eo1,
Ly13%)RBC 332万/μl、Hb 9.4g/dl、Ht 28.8%、PLT 6.4万/μl、MCV 86.7fl、MCH 28.3pg、MCHC 32.6%、
NCC 37.5万/μl、MgK 30.0/μl (芽球10%)、
TP 7.2g/dl、BUN 12.0mg/dl、LD 333IU/l、Ca 9.1mg/dl
末梢血所見 白血球増加(11,840/μl)の血液像にて芽球は100カウントには表示されなかったが、全視野で数個みられた。
赤血球形態に著変はなかった。
骨髄所見 過形成像にて芽球は10%みられた。アウエル小体はみられなかった。形態異常として、顆粒球系に2核、輪状核、好酸球に偽ペルゲル核異常がみられた。
赤血球系や血小板系には著変はみられなかった。
細胞化学所見 芽球に一部PO染色が陽性で、好中球に陰性のものがみられた。PAS染色には著変なし。
Fe染色で赤芽球にⅠ型(鉄顆粒を1~2個を有する)や担鉄赤血球を認めた。
形態診断 骨髄にて芽球が10%みられ、形態異常は顆粒球系に強いようであった。骨髄の芽球が10%(基準5~9%)はMDSのRAEB-Ⅰを僅かに越えるものであったが、末梢血の芽球+(基準5%未満)を考慮し、RAEB-ⅡよりもRAEB-Ⅰを考えた。
免疫学的所見 CD7(23%)、CD5(18.5%)、CD4(18.8%)、CD19(25.1%)、CD34(81.8%)、CD33(94.7%)、CD13(56.2%)
分子生物学的所見 46,XX,+6[20]
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 形態異常は顆粒球系に優位で、骨髄の芽球は、RAEB-ⅠまたはRAEB-Ⅱの境界であったが末梢血を加味しRAEB-Ⅰと診断された。診断後、CAG療法が施行された。その後末梢血の芽球が少数残存していたため、地固め療法として入院2ヶ月後にallo-PBSCTが施行された。Day16に白血球と血漿場の生着、Day37にしてCRが確認された。以後経過観察中である。