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本例は、末梢血の異常細胞の散見と骨髄での異常前骨髄球の増加(82.8%)からAML-M3を疑った。入院時の骨髄染色体検査ならびにFISH法ともにt(15;17)の検出に至らなかったが、PML-RARAキメラmRNA定量検査において72... (続きを読む)
本例は、末梢血の異常細胞の散見と骨髄での異常前骨髄球の増加(82.8%)からAML-M3を疑った。入院時の骨髄染色体検査ならびにFISH法ともにt(15;17)の検出に至らなかったが、PML-RARAキメラmRNA定量検査において72,000copies/μgRNAとPML/RARα融合遺伝子が確認されたことよりcrypticPML/RARα-APLと診断された。
(本例は大分県厚生連鶴見病院血液内科 安藤健明先生、検査部 佐藤淳技師のご協力によるものです) (たたむ)
 
■症例詳細データ
FAB分類 |
> 急性骨髄性白血病 (AML)
> 低顆粒のAPL (M3variant f...
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性別 |
男
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年齢 |
75-79
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取得年代 |
2010-2014
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症例の種類 |
非典型例
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主訴 |
汎血球減少症
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既往歴 |
高血圧(73歳)
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現病歴 |
四肢の浮腫、体重増加(約4ヶ月で8kg)
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検査所見 |
WBC 1,090/μl、RB C277万/μl、Hb 9.9g/dl、Ht 29.9%、MCV 107.2fl、MCH 35.7pg、MCHC 33.1%、PLT 6.1万/μl、PT 71.8%、BM-NCC 23.6万/μl、MgK 31/μl、PT-INR 1.12、APTT 87.0%、Fbg 214mg/dl、AT-Ⅲ 81.6%、FDP-E 213ng/ml、TP 6.9g/dl、T-bil 0.9mg/dl、AST 17U/l、ALT 30IU/l、BUN 16.6mg/dl、CRE 1.19mg/dl、UA 6.4mg/dl、CRP 0.16mg/dl、Ferritin 294ng/ml、VB12 2,000pg/ml、pro-BNP 1,221pg/ml、HBs-Ag (-)、HCV-Ab(-)、PML-RARAキメラmRNA:72,000copies/μgRNA
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末梢血所見 |
白血球減少(1,090/μl)のなか好中球の減少(9.5%)、リンパ球の増加(90.0%)と異常細胞が0.5%みられた。異常細胞は幼若顆粒球で微細顆粒が充満していた。
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骨髄所見 |
骨髄は正形成で全般にアズール顆粒は低から微細でなかには豊富なものもありファゴット細胞が82.8%みられた。それらの形態所見より異常の前骨髄球を疑った。
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細胞化学所見 |
異常の前骨髄球はPO染色に強陽性であった。
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形態診断 |
末梢血に散見された異常細胞は骨髄で増加している異常の前骨髄球を考えた。骨髄の異常前骨髄球はPO染色に強陽性より急性前骨髄性白血病を疑った。
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免疫学的所見 |
骨髄のCD45-SSCサイトグラム:CD13(88.6%)、CD33(95.2%)、CD64(26.2%)、CD117(82.4%)、HLA-DR(6.1%)
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分子生物学的所見 |
46,XY,add(6)(p21),idic(17)(p11.2) [10] 、47,idem,+18 [1] 、46,XY [9]
PML-RARα(+)
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リンパ節所見 |
N.D
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臨床診断 |
末梢血の異常細胞の散見と骨髄での異常前骨髄球の増加(82.8%)からAML-M3を疑った。末梢血の異常細胞の散見と骨髄での異常前骨髄球の増加(82.8%)からAML-M3を疑った。入院時の骨髄染色体検査ならびにFISH法ともにt(15;17)の検出に至らなかったが、PML-RARAキメラmRNA定量検査において72,000copies/μgRNAとPML/RARα融合遺伝子が確認されたことよりcrypticPML/RARα-APLと診断された。
(本例は血液内科 安藤健明先生、検査部 佐藤淳技師のご協力によるものです)
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