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 セザリー症候群(SS)は、菌状息肉症(MF)より一般に予後不良とされる。斑状類乾癬が全て菌状息肉症に進展するのではなく10年間経過観察すると約10%が菌状息肉症になると云われている。予後にかかわる因子と...
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 セザリー症候群(SS)は、菌状息肉症(MF)より一般に予後不良とされる。斑状類乾癬が全て菌状息肉症に進展するのではなく10年間経過観察すると約10%が菌状息肉症になると云われている。予後にかかわる因子として発症年齢があり、若年発症ほど予後不良とされる。
 一般的に腫瘍細胞の表現型は、CD2,CD3,CD4,CD5,CR45RO,TCRαβが陽性、CD7,CD8,CD20,CD45RAが陰性とされる。
 本例は、末梢血に皺状形成を示す病的リンパ球が50%みられ、それらはCD4陽性のヘルパーT細胞であり、HTLV-Ⅰ抗体やCD25が陰性よりATLは否定されセザリー症候群と診断された。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 慢性 (成熟型) リンパ性白血病 (CL... > T細胞白血病 > セザリー症候群 (SS)
性別
年齢 50-54
取得年代 1995-1999
主訴 皮疹、リンパ節腫脹。
既往歴 特になし。
現病歴 リンパ節腫脹と全身におよぶ著明な皮膚病変を主訴に来院し、白血球増加と病的リンパ球がみられ精査のため入院となった。
皮膚病変は全身にび慢性紅斑に認められた。
検査所見 WBC 11,500/μl (病的リンパ球50%)
RBC 468万/μl、Hb 15.1g/dl、Ht 42.7%、PLT 18.4万/μl
MCV 91.2fl、MCH 32.3pg、MCHC 35.4%、
HTLV-1抗体(-)
末梢血所見 白血球増加にてリンパ球系細胞が50%みられた。
それらはN/C比は高く、クロマチンは粗荒で核内への不整が特徴的であった。
核内への不整は皺状形成をうかがえるものであり、病的リンパ球を示唆するものであった。
骨髄所見 未施行。
細胞化学所見 病的リンパ球はPO染色、EST染色に陰性であった。
PAS染色では顆粒状や塊状の陽性がみられた。
形態診断 末梢血の形態像は核形不整(皺状形成)が特徴的であり、形態学的からセザリー症候群を考えた。
しかもHTLV-Ⅰ抗体が陰性よりそれを裏付けるものとなり、類似疾患のATLを否定した。
免疫学的所見 CD3(+)、CD4(+)
CD7(-)、CD8(-)、CD25(-)
分子生物学的所見 46,XY‥20/20
リンパ節所見 【病理組織診断】
malignant lymphoma ,diffuse medium-sized cell type
臨床診断 皺状形成を示す病的リンパ球はCD4陽性のヘルパーT細胞であり、HTLV-Ⅰ抗体やCD25が陰性よりATLは否定されセザリー症候群と診断された。