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 本例は紅皮症の皮膚症状があり、末梢血に出現する異常細胞はCD4陽性の性格よりATLを思わせたが、CD25陰性、HTLV-Ⅰ抗体陰性であり、TCRαβが陽性であった。皮膚生検では表皮向性を示す小~中リンパ球の浸潤が真皮...
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 本例は紅皮症の皮膚症状があり、末梢血に出現する異常細胞はCD4陽性の性格よりATLを思わせたが、CD25陰性、HTLV-Ⅰ抗体陰性であり、TCRαβが陽性であった。皮膚生検では表皮向性を示す小~中リンパ球の浸潤が真皮上層から中層にみられ核形不整のリンパ球の増殖を認めた。
以上よりセザリー症候群と診断された。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 慢性 (成熟型) リンパ性白血病 (CL... > B細胞白血病 > ヘアリー細胞白血病 (HCL)
性別
年齢 65-69
取得年代 2005-2009
症例の種類 典型例
主訴 皮膚病変
既往歴 特になし
現病歴 紅皮症、肝脾腫、リンパ節腫脹
検査所見 WBC13,200/μl (Ab.Ly 65.0%)
RBC278万/μl、Hb10.2g/dl、Ht26.1%, PLT10.4万/μl, MCV93.8fl,MCH36.6pg, MCHC39.0%
LDH1,220U/l、HTLV-Ⅰ(-)
末梢血所見 白血球増加(13,200/μl)に伴いリンパ球が65%(8,580/μl)と増加していた。
それらは大型で一見単球様を呈するが、クロマチンは粗網状~粗荒であり、核形不整が顕著であり異常リンパ球を思わせた。それらは核形不整が顕著で核内の皺状形成の特徴からセザリー細胞を疑った。
骨髄所見 N.D
細胞化学所見 PO染色に異常リンパ球は陰性、PAS染色に点状~塊状の陽性であった。
形態診断 異常リンパ球は皺状形成という独特な形態像よりセザリー症候群を考えるが、ATLは表現型で否定することになる。
免疫学的所見 CD3+,CD4+,CD8-,CD25-,TCRαβ+
分子生物学的所見 46,XX [20]
リンパ節所見 皮膚生検:表皮向性を示す小~中リンパ球の浸潤が真皮上層から中層にみられ、核形不整のリンパ球の増殖を認めた。
臨床診断 紅皮症とCD4陽性の性格の異常リンパ球は、一見ATLを思わせたが、CD25陰性、TCRαβ陽性、HTLV-Ⅰ抗体陰性よりセザリー症候群と診断された。