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 バーキットリンパ腫/白血病の表現型は、CD10、CD19、CD20、CD22、CD79a、sIgM、HLA-DRの陽性が多い。
染色体ではt(8;14)(q24;q32)が75~90%を占める。
     
 本例は、末梢血、骨髄にみられる芽球は大型で強好...
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 バーキットリンパ腫/白血病の表現型は、CD10、CD19、CD20、CD22、CD79a、sIgM、HLA-DRの陽性が多い。
染色体ではt(8;14)(q24;q32)が75~90%を占める。
     
 本例は、末梢血、骨髄にみられる芽球は大型で強好塩基性の細胞質と打ち抜き状の空胞を認めた。空胞についてはOil red O(SudanⅡ)染色を行い、空胞に一致して陽性であったことより中性脂肪を証明し得た。光顕的にはFAB分類のL3を疑い、すでに白血化の状態であったことよりバーキット白血病(FAB:L3)を考えた。表現型では、CD20、sIg、HLA-DRが陽性、
また染色体にてt(8;14)(q24;q32)の核型異常、MYC/IgH遺伝子が証明されBurkitt leukemiaと診断された。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 急性リンパ性白血病 (ALL) > L3;Burkitt型、大細胞性、顕著な...
性別
年齢 10-14
取得年代 2000-2004
主訴 発熱、出血斑。
既往歴 特になし。
現病歴 入院10日前、発熱が続き下肢に紫斑がみられたため近医を受診し血小板減少を指摘され他院へ紹介された。
精査のため当科へ紹介入院となる。
肝腫(2~3cm)、皮膚発疹(+)、腹部腫脹による腹部膨満感(+)、頚部・鼠径部リンパ節腫脹(+)
検査所見 WBC 23,000/μl (芽球18%)
RBC 382万/μl、Hb 10.8g/dl、Ht 33.1%、PLT 4.2万/μl、
MCV 86.6fl、MCH 28.3pg、MCHC 32.6%、
NCC 25.2万/μl、MgK 15.0/μl (芽球95%)
LD 9,040U/l、UA 10.2mg/dl
末梢血所見 白血球増加(23,000/μl)にて芽球は18%みられた。
それらは明瞭な核小体や好塩基性の細胞質に顕著な空胞が目立っていた。
骨髄所見 正形成像にて芽球は95%、大型で明瞭な核小体と強好塩基性に打ち抜き状の空胞が特徴的であった。
空胞については変性空胞か脂肪空胞を証明する必要がある。
細胞化学所見 芽球はPO染色、PAS染色、EST染色と一連の染色はすべて陰性であった。
空胞についてはOil red O(SudanⅡ)染色を行い、空胞に一致して陽性であったことより中性脂肪を示唆するものであった。
形態診断 末梢血、骨髄にみられる芽球は大型で強好塩基性の細胞質と打ち抜き状の空胞を有し、中性脂肪を証明したこととすでに白血化の状態であったことよりバーキット白血病(FAB:L3)を考えた。
高LD血症、高尿酸血症がみられた。
免疫学的所見 CD10,CD19,CD20,CD22,CD79a,HLA-DR(+)
sIgM(+)
分子生物学的所見 ①46,XX,t(8;14)(q24;q32)‥15/15
②MYC/IgH遺伝子(+)
リンパ節所見 腫瘍性に増殖する細胞の大きさは均一で、核形不整は少なく、クロマチンは粗顆粒状で核小体を有するものが多くみられた。
細胞質は好塩基性で空胞もみられた。
臨床診断 形態学的にFAB分類のL3様であり、表現型はsIgMが陽性よりB細胞性、染色体はt(8;14)の核型異常やMYC/IgH遺伝子を認めたことよりバーキット白血病と診断された。