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 骨髄の芽球は20%以上で、顆粒球系や単球系、またそれらの前駆細胞が骨髄有核細胞(ANC)の20%以上を占める。末梢血では単球が5000/μl以上を示す病型である。
     
 末梢血、骨髄の芽球は20%以上よりAMLの範疇...
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 骨髄の芽球は20%以上で、顆粒球系や単球系、またそれらの前駆細胞が骨髄有核細胞(ANC)の20%以上を占める。末梢血では単球が5000/μl以上を示す病型である。
     
 末梢血、骨髄の芽球は20%以上よりAMLの範疇であった。
末梢血の単球数はAML-M4の基準(5,000/μl以上)をクリアしなかった(実際は3,876/μl)が、骨髄で芽球および顆粒球系と単球系の混在はM4の条件を満たすものであった。また単球系にブチレートEST染色が弱陽性を呈したことや血清lysozymeの上昇(56.3μg/ml)はM4を支持するものであった。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 急性骨髄性白血病 (AML) > 骨髄単球性 (骨髄系と単球系の混在:M4...
性別
年齢 50-54
取得年代 1995-1999
主訴 出血斑。
既往歴 特になし。
現病歴 下肢出血斑が改善されず、血液検査にて芽球が出現したため入院となる。
肝脾腫(-)、リンパ節腫(-)。
検査所見 WBC 14,910/μl (芽球10, Promy-Met5, StSeg35,
Ly15, Mo26, Eo8, Ba1%)
RBC 419万/μl、Hb 12.3g/dl、Ht 37.6%、PLT 10.6万/μl、MCV 89.7fl、MCH 29.3pg、MCHC 32.7%、
NCC 21.7万/μl、MgK 43.75/μl (芽球56%)、
LD 648IU/l、Fbg 374mg/dl、リゾチーム(s) 56.3μg/ml
末梢血所見 血液像にて芽球は10%、以降幼若顆粒球や単球の増加(26%)がみられた。単球は38,766/μlであった。
骨髄所見 正形成像にて芽球は56%、顆粒球系(18%)と単球系(25%)の混在を認めるものの鑑別が不可能なものもみられた。
細胞化学所見 PO染色では陽性と陰性に区分され、陽性は芽球と顆粒球系で、陰性から弱陽性は単球系と思われた。EST二重染色では
ブチレートの弱陽性がみられ単球系の混在を考えた。
形態診断 末梢血、骨髄の芽球は20%以上よりAMLの範疇であった。
末梢血の単球数はAML-M4の基準(5,000/μl以上)をクリアしなかった(実際は3,876/μl)が、骨髄では芽球および顆粒球系と単球系の混在がM4の条件を満たすものでありAML-M4を疑った。
免疫学的所見 CD4・CD11b・CD11c・CD13・CD14・CD33・HLA-DR(+)
分子生物学的所見 46,XX,t(6;6)(p21;q25),del(11)(q23)[20]
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 光顕的ならびにリゾチームの上昇よりAML-M4と診断された。診断後、AraC、IDAにて寛解導入療法が開始され、約1ヶ月後、地固め療法として①AraC、MIT、②BHAC、ETP、DNR、6-MP、③BHAC、ACRが施行された。さらに5ヶ月後、維持療法として①BHAC-DM、DNR、②BHAC-Mが施行された。
約7ヶ月後、骨髄バンクドナーより骨髄移植がなされた。