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 本例は、アズール顆粒やアウエル小体を認めないtypeⅠ芽球が主体をなし、PO染色が陰性のためALLかPO陰性のAMLを疑った例である。typeⅠ芽球の形態は同定できるが、PO染色が陰性よりリンパ系か骨髄系の起源を示唆...
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 本例は、アズール顆粒やアウエル小体を認めないtypeⅠ芽球が主体をなし、PO染色が陰性のためALLかPO陰性のAMLを疑った例である。typeⅠ芽球の形態は同定できるが、PO染色が陰性よりリンパ系か骨髄系の起源を示唆することは光顕的限界付近の離れ業になる。従って、診断には表現型は必須であり、さらに電顕レベルの所見も重要になる。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 急性骨髄性白血病 (AML) > 最未分化型のAML
性別
年齢 45-49
取得年代 2000-2004
主訴 発熱、全身倦怠感。
既往歴 特になし。
現病歴 発熱、倦怠感のため来院し、貧血、白血球著増を指摘され、末梢血に芽球を認めたため緊急入院となった。
検査所見 WBC 151,100/μl(芽球95%)
RBC 286万/μl、Hb 8.9g/dl、Ht 26.1%、PLT 22.5万/μl
MCV 91.3fl、MCH 31.1pg、MCHC 34.0%、
NCC 48.5万/μl、MgK 0/μl(芽球98%)、
LD 1,875IU/l
末梢血所見 白血球著増(151,100/μl )にて芽球は95%みられた。
それらはN/C比がやや低くクロマチンはやや粗鋼で核小体は不明瞭であった。
骨髄所見 過形成像にて芽球は98%で、大小がみられクロマチンは繊細から粗網状で一部に核小体がみられた。
アズール顆粒やアウエル小体は認めなかった。
細胞化学所見 芽球はPO染色、SBB染色、PAS染色、EST染色すべてに陰性であった。ACP染色はび慢性の陽性であった。
形態診断 末梢血、骨髄に出現する芽球はtypeⅠ芽球で占められていた。それらはPO染色、SBB染色が陰性よりALLかPO陰性のAMLを考えた。
免疫学的所見 CD13・CD33・CD7・anti-MPO・HLA-DR (+)
電顕MPO(E-MPO):陽性
分子生物学的所見 46,XY [20]
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 末梢血、骨髄に著増する芽球は光顕的にtypeⅠ芽球で、骨髄系の表現型が陽性よりAML-M0と診断された。
後報告での電顕的MPOが陽性でAML-M0を支持するものとなった。