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 骨髄有核細胞の50%以上を赤芽球系細胞が占め、赤芽球系を除く細胞の20%以上が骨髄芽球でFAB分類のM6aに相当する。
もし、骨髄芽球が20%未満の場合はRAEB群に位置づけされる。
     
 本例は、末梢血では白赤...
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 骨髄有核細胞の50%以上を赤芽球系細胞が占め、赤芽球系を除く細胞の20%以上が骨髄芽球でFAB分類のM6aに相当する。
もし、骨髄芽球が20%未満の場合はRAEB群に位置づけされる。
     
 本例は、末梢血では白赤芽球症を呈し、骨髄では異型性を含む赤芽球が50%以上(実際は60%)、しかもPO染色陽性の骨髄芽球が30%みられたことより二系統の混在を考え赤白血病(M6a)と診断された。
表現型でグリコホリンAの陽性、染色体では-3、-7、-10などの複雑な核型異常がみられた。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 急性骨髄性白血病 (AML) > 赤白血病 (M6)
性別
年齢 05-09
取得年代 2000-2004
主訴 全身倦怠感、出血斑。
既往歴 特になし。
現病歴 全身倦怠感、出血斑出現のため来院し、汎血球減少症を指摘されたため精査のため当科入院となった。
検査所見 WBC 1,600/μl (芽球7%, Ebl 3/100w )
RBC 320万/μl、Hb 9.2g/dl、Ht 27.2%、
MCV 84.7fl、MCH 28.7pg、MCHC 33.8%、PLT 2.5万/μl
NCC 32.6万/μl、MgK 0/μl(芽球97%)
末梢血所見 白血球減少(1,600/μl)にて芽球は7%みられ、また赤芽球がみられたことから白赤芽球症(leukoerythroblastosis)を考えた。
骨髄所見 過形成像にて赤芽球が優位(60%)で、それらは幼若型から成熟型までみられ、なかには多核や異型性のものを認めた。
また、骨髄芽球はNEC中の30%にみられ、一部にアウエル小体を認めた。
細胞化学所見 PAS染色にて幼若赤芽球は顆粒状に、成熟型はび慢性に陽性を呈するものがあった。
PO染色にて骨髄芽球は24%に陽性がみられた。
形態診断 末梢血では白赤芽球症を呈し、骨髄では異型性を含む赤芽球が50%以上(実際は60%)を認め、しかもPO染色陽性の骨髄芽球が30%みられたことより二系統の混在を考え赤白血病(M6a)を考えた。
免疫学的所見 CD7(58.4%)、CD13(36.2%)、CD33(82.6%)、glycophorin A(62.1%)、HLA-DR(82.4%)
CD41(1.3%)
分子生物学的所見 44,XY,-3,add(5)(q11),-7,-10,add(12)(p11),+mar [18]
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 白赤芽球症と骨髄にて骨髄芽球(20%以上)と赤芽球(50%以上)の混在から赤白血病(AML-M6a)と診断された。染色体は複雑な構造異常がみられた。