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 白血病細胞が成熟傾向を示さないAMLであり、骨髄有核細胞(ANC)の90%以上を骨髄芽球が占め、芽球のPO陽性率は3%以上とされる。
芽球の形態はAML-M0に比べて異なる所見はアズール顆粒やアウエル小体を有する...
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 白血病細胞が成熟傾向を示さないAMLであり、骨髄有核細胞(ANC)の90%以上を骨髄芽球が占め、芽球のPO陽性率は3%以上とされる。
芽球の形態はAML-M0に比べて異なる所見はアズール顆粒やアウエル小体を有することである。
 
 本例は芽球が97%、それらはアズール顆粒を有しないTypeⅠ芽球やアウエル小体を有するTypeⅡ芽球であり、PO染色では7%が陽性よりAML-M1と診断されたものである。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 急性骨髄性白血病 (AML) > 成熟を伴わない未分化型のAML (M1)
性別
年齢 05-09
取得年代 2005-2009
主訴 発熱、倦怠感。
既往歴 特になし。
現病歴 発熱、倦怠感を訴え、来院し貧血と血液像にて芽球を認めたため入院となった。脾腫大あり。
検査所見 WBC 9,200/μl(芽球69%)
RBC 221万/μl、Hb 7.2g/dl、Ht 21.9%、MCV 99.0fl
MCH 32.5pg、MCHC 32.8%、PLT 12.4万/μ
NCC 52.0万/μl、MgK 0/μl (芽球52%, Eo11%)
FDP 1.5μg/ml、LDH 452IU/l
末梢血所見 血液像にて芽球は69%みられ、それらはN/C比は高く、クロマチンは粗網状で核小体を認めた。
骨髄所見 過形成像にて芽球は97%で、N/C比は高く、核形不整は乏しく、クロマチンは繊細で核小体を数個認めるものもみられた。なかには少数のアズール顆粒を有するものやアウエル小体を有するものもみられた。
細胞化学所見 芽球はPO染色に低率ながら7%が陽性であった。
EST染色、PAS染色は陰性であった。
形態診断 末梢血、骨髄の芽球は優位で、骨髄で90%以上(実際は97%)、しかもPO染色にて3%以上(実際は7%)が陽性を呈したことより未分化型のAML(M1)を考えた。
免疫学的所見 CD13・CD33・CD177・HLA-DR (+)
CD11b・CD14 (-)
分子生物学的所見 46,XY,t(6;9)(p23;q34)[18]
DEK遺伝子(+)
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 骨髄における芽球の割合(97%)とPO染色が低率ながら陽性(7%)より未分化型のAML(M1)と診断された。
表現型も骨髄系を示唆する結果が得られ、染色体はt(6;9)(p23;q34)の核型異常を認めた。