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 白血病細胞の80%以上を単球系(単芽球、前単球、単球)が占め、顆粒球系は20%以下とされる。さらに単球系のうち単芽球が80%以上を占める場合を低分化型の単球性白血病(M5a)、80%未満を分化型の単球性白血...
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 白血病細胞の80%以上を単球系(単芽球、前単球、単球)が占め、顆粒球系は20%以下とされる。さらに単球系のうち単芽球が80%以上を占める場合を低分化型の単球性白血病(M5a)、80%未満を分化型の単球性白血病(M5b)に区分される。
 M5aの形態学的特徴は、大型で核は円形から類円形、クロマチンは粗荒で明瞭な核小体を有する。細胞質の好塩基性は強く、舌状の突起を有しアズール顆粒は時に認める。
     本例は、骨髄、左睾丸腫瘤スタンプ標本の光顕的所見より低分化型の単球性白血病と診断された。
VM-26の単剤療法が施行され、5週後完全寛解に入り、寛解導入中の発熱は抗生物質の投与にて解熱した。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 急性骨髄性白血病 (AML) > 単球性 (単球系が優位) > 低分化型 (M5a)
性別
年齢 00-04
取得年代 1995-1999
主訴 左睾丸腫瘤(+)。
既往歴 特になし。
現病歴 左睾丸腫瘤と左眼窩内腫瘤にて左睾丸腫瘤が摘出された(10g)。
検査所見 WBC 6,800/μl(異常なし、所見なし)
RBC 388万/μl、Hb 8.9g/dl、Ht 29.5%、PLT 18.5万/μl
MCV 76.0fl、MCH 23.0pg、MCHC 30.1%
NCC 18.2万/μl、MgK 25/μl(芽球85%)
LD 1,250IU/l
末梢血所見 白血球正常にて異常所見はみられなく、小球性低色素性貧血の状態であった。
骨髄所見 骨髄では芽球が85%みられ、それらには好塩基性の豊富な細胞質や一部に顆粒を有するものもあったが分化傾向に乏しいようであった。
細胞化学所見 骨髄の芽球はPO染色に陰性であった。プチレートEST染色では強陽性で、それらはNaFに阻害された。左睾丸腫瘤スタンプ標本ではアセテートEST染色が強陽性であった。
形態診断 骨髄、左睾丸腫瘤スタンプ標本にみられる腫瘍細胞は光顕的に単球性白血病を考えた。
免疫学的所見 CD4・CD11b・CD11c・CD14・HLA-DR(+)
分子生物学的所見 46,XY[15]
リンパ節所見 左睾丸腫瘤スタンプ標本にて、大型でN/C比の低い腫瘍細胞が単一性にみられた。
腫瘍性に増殖した細胞はEST染色に陽性よりAML(単球性白血病)と診断された。
臨床診断 骨髄、左睾丸腫瘤スタンプ標本の光顕的所見より低分化型の単球性白血病と診断された。
VM-26の単剤療法が施行され、5週後完全寛解に入り、寛解導入中の発熱は抗生物質の投与にて解熱した。