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 本例は、pancytopeniaで、芽球は骨髄(52%)よりも末梢血(71%)に多く、骨髄での芽球が52%とPO染色が90%に陽性より分化型のAML-M2を考えた。芽球の異型性とペルゲル様核異常や好酸球の増加と形態異常よりM2の8;2...
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 本例は、pancytopeniaで、芽球は骨髄(52%)よりも末梢血(71%)に多く、骨髄での芽球が52%とPO染色が90%に陽性より分化型のAML-M2を考えた。芽球の異型性とペルゲル様核異常や好酸球の増加と形態異常よりM2の8;21転座も考慮すべきと思った。また、好酸球の形態からAML-M4Eoも考えたいが単球の増加がみられないことで否定した。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 急性骨髄性白血病 (AML) > 成熟を伴うAML (M2)
性別
年齢 10-14
取得年代 2005-2009
主訴 顔面不良。
既往歴 特になし。
現病歴 1ヶ月前より顔面不良がみられ、その後両眼のかすみにて当院を紹介受診した。
眼底出血を認め、血液検査にて汎血球減少を認めたため緊急入院となった。
肝脾腫(-)、リンパ節腫大(-)、DIC(-)。
検査所見 WBC 2,600/μl (芽球71%)
RBC 143万/μl、Hb 5.2g/dl、Ht 15.3%、PLT 1.2万/μl
MCV 107fl、MCH 36.3pg、MCHC 33.9%、
NCC 26.3万/μl、MgK 0/μl (芽球52%)
LD 212IU/l
末梢血所見 汎血球減少症にて芽球が71%みられた。
骨髄所見 正形成像にて芽球は52%みられた。それらは、大小不同性で核形不整が顕著で、明瞭な核小体を認め、アウエル小体は不明であった。顆粒球系の分化はやや乏しく、全般に低顆粒気味であり、好酸球の増加(10%)がみられ、その一部にペルゲル様核異常を認めた。好酸球のなかに粗大顆粒を有するものもあり、形態異常をうかがわせるものもみられた。
細胞化学所見 芽球はPO染色に90%が陽性で86%が強陽性であった。EST染色ではクロロアセテートに顆粒球系が陽性であった。
形態診断 芽球は骨髄よりも末梢血に多く、骨髄での芽球が52%とPO染色が90%に陽性より分化型のAML-M2を考えた。芽球の異型性と偽ペルゲル核異常や好酸球の増加と形態異常よりM2の8;21転座も考慮すべきと思った。また、好酸球の形態からAML-M4Eoも考えたが単球の増加がみられないことで否定した。
免疫学的所見 CD13・CD33・HLA-DR (+)
分子生物学的所見 45,XX,-7
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 骨髄の芽球が52%とPO染色が陽性のことよりAML-M2と診断された。染色体は7monosomyを認め、8;21転座は認めなかった。