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 本例は、喀痰検査にて悪性腫瘍を疑い、末梢血や骨髄にも腫瘍細胞がみられ、画像診断も含め肺原発の小細胞癌と診断された。小細胞癌の細胞像は、小型、リンパ球様の円形核、大型で多辺形、紡錘形を示したり多様...
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 本例は、喀痰検査にて悪性腫瘍を疑い、末梢血や骨髄にも腫瘍細胞がみられ、画像診断も含め肺原発の小細胞癌と診断された。小細胞癌の細胞像は、小型、リンパ球様の円形核、大型で多辺形、紡錘形を示したり多様性を念頭に入れる必要がある。
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■症例詳細データ
性別
年齢 40-44
取得年代 1995-1999
主訴 持続する咳。
既往歴 特になし。
現病歴 持続する咳にて受診、胸部X線検査にて異常陰影がみられ、喀痰細胞にて悪性腫瘍細胞を認めた。骨髄浸潤の有無を検索するため骨髄像検査が実施された。
検査所見 WBC 5,100/μl (St5, Seg53, Ly32, Mo6, Ba1, Eo3%, 不明細胞+)
RBC 419万/μl、Hb 13.7g/dl、Ht 40.0%、PLT 10.1万/μl
MCV 95.5fl、MCH 32.7pg、MCHC 34.2%、
NCC 4万/μl (異型細胞+)
末梢血所見 塗抹標本の鏡検場所で2個の不明細胞を認め、引き終わりには裸核状のものがみられた。2個の細胞は相互の接着面の広さと細胞境界不明瞭は結合性を強く示唆する所見と思われ上皮性結合を示唆するものであり異型細胞に捉えた。
骨髄所見 低形成像にて単調な小型細胞が孤立散在性にみられた。一見芽球様細胞を思わせるが細胞間に空隙形成(window)がみられないことより上皮性結合と思われた。多辺形の核、木目込み細工様配列がみられることより転移性腫瘍を考えた。
細胞化学所見 PO染色、PAS染色は陰性であった。
形態診断 末梢血の異型細胞は結合性がみられ、骨髄では孤立散在性ながらも多辺形の核、木目込み細工様配列より転移性腫瘍を考えた。
免疫学的所見 NSE (neuron specific enolase)陽性で、LCA (leukocyte common antigen:CD45)は陰性であった。
分子生物学的所見 未詳。
リンパ節所見 【骨生検所見】
濃染性の多辺形核を有する小型細胞が密に増殖する充実性の胞巣で、特定の分化がみられず未分化な癌が推定された。
臨床診断 喀痰検査にて悪性腫瘍を疑い、末梢血や骨髄にも腫瘍細胞がみられ、画像診断も含め肺原発の小細胞癌と診断された。小細胞癌の細胞像は、小型、リンパ球様の円形核、大型で多辺形、紡錘形を示したり多様性を念頭に入れる必要がある。
*小細胞癌の骨髄転移:原発;肺癌(小細胞癌)