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Burkittリンパ腫(BL)は、分子生物学的にはc-myc遺伝子(8q24)と免疫グロブリン遺伝子の相互転座に起因する高悪性度B細胞性腫瘍である。①t(8;14)(q24;q34),MYC/IgH、②t(2;8)(p12;q24)、IgLk/MYC、③t(8;22)(q2... (続きを読む)
Burkittリンパ腫(BL)は、分子生物学的にはc-myc遺伝子(8q24)と免疫グロブリン遺伝子の相互転座に起因する高悪性度B細胞性腫瘍である。①t(8;14)(q24;q34),MYC/IgH、②t(2;8)(p12;q24)、IgLk/MYC、③t(8;22)(q24;q11)、MYC/IgLλの核型異常や遺伝子が証明される。
本例は、回盲部周囲のリンパ節に増殖したリンパ系細胞は形態学的、表現型、さらに免疫染色にてMIB-1増殖因子が陽性よりバーッキットリンパ腫と診断された。免疫染色にてCD20、MIB-1が陽性、染色体検査からt(8;14)(q24;34)の核形異常とMYC/IgH遺伝子が証明されバーキットリンパ腫を支持するものとなった。 (たたむ)
 
■症例詳細データ
FAB分類 |
> 急性リンパ性白血病 (ALL)
> L3;Burkitt型、大細胞性、顕著な...
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性別 |
男
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年齢 |
00-04
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取得年代 |
2000-2004
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主訴 |
リンパ節腫脹。
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既往歴 |
特になし。
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現病歴 |
腸重積、イレウスのため入院。高圧浣腸にて整復不能のため緊急開腹術が施行された。
回盲部が先進部であったが整復時すでに穿孔を来たし、回盲部切除を行った。
先進部の回盲部周囲に腫脹したリンパ節に径2〜3cm大のものが2個みられ、その他の腸間膜リンパ節も腫脹していた。
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検査所見 |
WBC 10,890/μl、RBC 492万/μl、Hb 12.8g/dl
Ht 43.2%、MCV 87.8fl、MCH 26pg、MCHC 29.6%
PLT 70.1万/μl、LDH 892IU/l、CRP 0.36mg/dl
NCC 25.6万/μl、Mgk 37.5/μl
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末梢血所見 |
白血球増加(10,890/μl)にて血液像に著変はなかった。
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骨髄所見 |
正形成像にて病的リンパ球が35%みられた。
それらは中型~大型でクロマチンは粗造、核小体を有し好塩基性の細胞質には空胞がみられた。
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細胞化学所見 |
骨髄、リンパ節ともに増加、増殖する細胞はPO染色、PAS染色に陰性であった。
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形態診断 |
増殖細胞は形態学的ならびにPO染色が陰性よりリンパ系を考え、細胞質の好塩基性と空胞が所見と思えた。
従って、非ホジキンリンパ腫のmedium cell typeもしくはBurkitt lymphomaを考えた。
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免疫学的所見 |
CD19,CD20,CD22,HLA-DR(+)
IgM(+),L-kappa(+)
免疫染色:CD20、MIB-1(+)
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分子生物学的所見 |
①64,XY,t(8;14)(q24;q34)
②MYC/IgH(+)
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リンパ節所見 |
回盲部周囲のリンパ節生検のスタンプ標本にて、均一な小型リンパ球の増殖が見られた。
核形不整はさほどみられず、核小体を有するものがみられ、それらのクロマチンは粗造で好塩基性の細胞質を有し小型ながら空胞が著しいようであった。
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臨床診断 |
回盲部周囲のリンパ節に増殖したリンパ系細胞は形態学的、表現型、さらに免疫染色にてMIB-1増殖因子が陽性よりバーッキットリンパ腫と診断された。
染色体検査からt(8;14)(q24;34)の核形異常とMYC/IgH遺伝子が証明されバーキットリンパ腫を支持するものとなった。
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