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Burkittリンパ腫/白血病(BL/L)の形態像は大型で核小体や細胞質に空胞などを有することで、彌慢性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)との鑑別が必要である。
BL/Lの表現型はsIg陽性、c-myc遺伝子(8q24)と免疫グ... (続きを読む)
Burkittリンパ腫/白血病(BL/L)の形態像は大型で核小体や細胞質に空胞などを有することで、彌慢性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)との鑑別が必要である。
BL/Lの表現型はsIg陽性、c-myc遺伝子(8q24)と免疫グロブリン遺伝子の相互転座を証明することである。その相互転座とは①t(8;14)(q24;q34),MYC/IgH、②t(2;8)(p12;q24),IgLk/MYC、
③t(8;22)(q24;q11),MYC/IgLλである。
本例は、芽球の形態がやや未熟型で、典型例ではないが細胞質の好塩基性と空胞が診断に関連するものと思われた。末梢血にも芽球の出現がみられたことより白血化を考え、未熟型のALLもしくはBurkitt leukemiaを疑った。表現型で、CD20、sIg陽性よりBurkitt leukemiaと診断された。 (たたむ)
 
■症例詳細データ
FAB分類 |
> 急性リンパ性白血病 (ALL)
> L3;Burkitt型、大細胞性、顕著な...
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性別 |
男
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年齢 |
65-69
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取得年代 |
1995-1999
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主訴 |
両上肢脱力感、白血球増加。
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既往歴 |
糖尿病、急性気管支炎。
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現病歴 |
発熱、倦怠感にて来院し血液検査にて白血球増加があり、血液像にて芽球様細胞が6%みられたため骨髄穿刺が施行された。リンパ節腫脹(+)。
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検査所見 |
WBC 17,100/μl、RBC 265万/μl、
Hb 7.5g/dl、Ht 22.7%、MCV 85.6fl、MCH 28.3pg、MCHC 33.0%、PLT 7.5万/μl、
LDH 1,084lU/l、CRP 31.8mg/dl
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末梢血所見 |
白血球増加(17,100/μl)にて芽球が5%みられた。
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骨髄所見 |
骨髄は低形成ながらも芽球は24%みられた。それらは大型で核形不整や核小体を有するものがある。
クロマチンは粗荒で細胞質の好塩基性は中等度で空胞が著しい。
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細胞化学所見 |
芽球はPO染色、PAS染色、EST染色に陰性である。
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形態診断 |
芽球は形態学的ならびにPO染色が陰性よりリンパ系を考えた。芽球はやや未熟型の様相で、細胞質の好塩基性と空胞が診断に関連するものと思われた。
末梢血にも芽球の出現がみられたことより、白血化を考え、未熟型のALLもしくはBurkitt leukemiaを疑った。
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免疫学的所見 |
CD19,CD20,CD21,CD22,HLA-DR(+)
sIgM(+)
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分子生物学的所見 |
①46,XY+,2q,5p+,6p+,+7q-,+7q-,-8,-13,
-14q+,19p+,19p++,-21‥6/20
②MYC/IgH(+)
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リンパ節所見 |
【病理組織診断】
増殖する腫瘍細胞の核は類円形型で、核形不整がみられ、クロマチンは粗顆粒状で核小体を認めた。
非腫瘍性小型T細胞の混入が僅かであり、核片を貪食するマクロファージの数が多く、星空像starry sky appearanceの所見よりBurkitt lymphomaと診断された。
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臨床診断 |
末梢血、骨髄のリンパ球様の腫瘍細胞は、形態像や表現型よりALL-L3が疑われ、リンパ節生検よりBurkitt leukemiaと診断された。
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