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 本例は、光顕的所見よりALL-L3を考えたが、PAS染色が陽性、表面形質ではsIg陰性よりそれは否定されるものであった。
CD10陽性よりcommon ALL付近の起源が考えられ、CD33の高率陽性については混合性も範疇となる。
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 本例は、光顕的所見よりALL-L3を考えたが、PAS染色が陽性、表面形質ではsIg陰性よりそれは否定されるものであった。
CD10陽性よりcommon ALL付近の起源が考えられ、CD33の高率陽性については混合性も範疇となる。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 急性リンパ性白血病 (ALL) > L2;大細胞性、不均一性、N/C比低い
性別
年齢 00-04
取得年代 2000-2004
主訴 発熱、関節痛。
既往歴 特になし。
現病歴 入院3日前より発熱があり、左関節痛もみられ近医受診し、肝腫大、汎血球減少がみられたため、急性白血病疑いにて当院紹介入院になった。
検査所見 WBC 2,200/μl、RBC 221万/μl、Hb 6.5g/dl、Ht 6.5%、
MCV 96.8fl、MCH 29.4pg、MCHC 30.4%、PLT 3.7万/μl、
LDH 2,808lU/l、UA 6.2mg/dl、CRP 8.15mg/dl
末梢血所見 汎血球減少症のなか白血球(2,200//μl)の分類にて芽球が8%みられた。
骨髄所見 骨髄は低形成ながらも芽球は98%みられ、それらはN/C比は高く、クロマチンは粗網状で、核形不整や核小体がみられた。
細胞質は中等度の好塩基性で打ち抜き状の空胞がみられた。
細胞化学所見 芽球はPO染色に陰性で、PAS染色に粗大顆粒状から点状の陽性がみられた。
形態診断 芽球はPO染色に陰性、PAS染色では粗大顆粒状や点状の陽性よりリンパ系が示唆された。
一見ALL-L3様であるが、PAS染色の強陽性態度よりL3以外のB細胞性ALLを強く疑った。
免疫学的所見 CD19,CD10,CD22,CD34,CD38,CD33,HLA-DR(+)
sIg(-)
分子生物学的所見 ①46,XY‥20/20
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 光顕的所見よりALL-L3を考えたが、PAS染色が陽性、表面形質ではsIg陰性よりそれは否定されるものであった。
CD10陽性よりcommon ALL付近の起源が考えられ、CD33の高率陽性については混合性も範疇となる。