病理学分類 | 良性非上皮性腫瘍/血管腫 |
症例の種類 | 稀な例 |
性別 | 女性 |
年齢 | 75-79 |
主訴 | 舌の多発性腫瘍 |
病歴 | 心窩部痛を訴えて来院。上部消化管のX線および内視鏡検査で、食道と胃に多発性の粘膜下腫瘍を発見された。また口腔内、舌、皮膚にも青色調の多発性腫瘍が認められ、口腔内の腫瘍からの生検にて血管腫と診断された。 |
既往歴 | 特記すべきことなし。 |
家族歴 | 家系内に同様の所見を示す者なし。その他、特記すべきことなし。 |
現症 | 貧血、黄疸なし。肝・脾腫なく、表在リンパ節腫大なし。その他、上記の多発性腫瘍の他に、特記すべきことなし。 |
身体所見 | 手背、前腕および口唇、舌に外見上、青みを帯びた多発性で弾性硬の腫瘍を認めた。 |
一般検査データ | 特記すべき異常データなし。 |
経過 | これまで、皮膚科、頭頚科、内科を受診するも、診断名は不明であった。しかし、初診時より24年後、これまでの所見を合わせて、総合的に青色ゴムまり様母斑症候群(Blue Rubber Bleb Nevus症候群)と診断された。青色調の腫瘍は、きわめて徐々に増大傾向があった。しかし臨床上、悪性化を示す所見は認められていない。
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備考 | きわめて稀な症例である。病変は多くの器官や臓器にわたっているので、病変の存在自体を、画像にて知っておくことが大切である。 |