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 白血病細胞の80%以上を単球系(単芽球、前単球、単球)が占め、顆粒球系は20%以下とされる。さらに単球系のうち単芽球が80%以上を占める場合を低分化型の単球性白血病(M5a)、80%未満を分化型の単球性白血...
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 白血病細胞の80%以上を単球系(単芽球、前単球、単球)が占め、顆粒球系は20%以下とされる。さらに単球系のうち単芽球が80%以上を占める場合を低分化型の単球性白血病(M5a)、80%未満を分化型の単球性白血病(M5b)に区分される。
 M5aの形態学的特徴は、大型で核は円形から類円形、クロマチンは粗荒で明瞭な核小体を有する。細胞質の好塩基性は強く、舌状の突起を有しアズール顆粒は時に認める。
     本例は、骨髄にて単芽球が93%みられ、それらはEST染色に強陽性で
NaFに阻害されたことよりAML-M5aと診断された。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 急性骨髄性白血病 (AML) > 単球性 (単球系が優位) > 低分化型 (M5a)
性別
年齢 00-04
取得年代 2000-2004
主訴 発熱、出血症状。
既往歴 特になし。
現病歴 発熱(38℃)、歯肉出血を主訴として来院し精査のため入院となった。顔色不良(+)、リンパ節腫脹(-)、肝腫(+)。
検査所見 WBC 2,900/μl (芽球+)
RBC 245万/μl、Hb 5.5g/dl、Ht 23.0%、PLT 10.3万/μl
MCV 93.8fl、MCH 22.4pg、MCHC 24.0%、
NCC 14.3万/μl、MgK 6.25/μl (芽球93%)
LD 2,310IU/l
末梢血所見 白血球減少(2,900/μl)にて芽球が全視野に2個みられた。一見異型リンパ球様であったが、クロマチンがやや繊細で核小体を有することより芽球に同定した。
骨髄所見 正形成にて芽球は93%みられた。それらは大型で、核は円形から類円形で、一部に明瞭な核小体を有し、豊富な好塩基性の細胞質を認めた。
細胞化学所見 芽球はPO染色に陰性で、プチレートEST染色には強陽性でNaFに阻害された。アセテートEST染色ではび漫性の強陽性を呈した。
形態診断 骨髄で増加する芽球は90%以上を占め、形態学的ならびにPO染色が陰性、NaF阻害EST染色に陽性より低分化型の単芽球性白血病(AML-M5a)を疑った。
免疫学的所見 CD4・CD11b・CD11c・CD14・HLA-DR(+)
分子生物学的所見 46,XY[18]
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 骨髄の芽球は光顕的所見ならびに表現型よりAML-M5aと診断された。染色体は正常の核型であった。